虚勢も張り続ければ次第に現実味を帯びる
おかげさまで「青木はブレないのがすごい」と言われることがよくあります。自分の軸を持ち続けるには、僕なりのコツがあるのです。
ブレない自分を貫くコツとしては、弱みを見せないことも重要です。「俺はスランプだ」「いま調子が悪い」と自分から発言したり、SNSなどに書き込みしたりしないほうがいい。
逆に相手から「いま、おまえ調子悪いよな?」「勝ててないよな?」と言われたときは、「うるせぇバカ」と返すべきです。
人に流されず、弱みを見せなければ、相手は攻めてこなくなります。虚勢を張り続けていれば、それは次第に現実味を帯びてくるもの。
「弱みを見せた瞬間に食いつかれる」という感覚は、格闘家ならではの心理かもしれません。なぜなら、格闘家同士は向き合っただけで「これビビッてるな」「この試合は俺のペースだ」といったことまでわかります。
隙が生まれると、そこを集中攻撃されることが肌感覚でわかるのです。向かい合ったときに、こちらが一瞬でも引いてしまうと付け込まれる。
そして、それは試合だけでなく日常生活でも、仕事でも同じであるというのが僕のこれまでの経験を通して得た事実です。「怖い」という感情が一瞬でも出てしまうと交渉事も負けてしまうでしょう。
1万円しかなくても、100万円あるように演出する
よって、どんなに怖くても、「張り子の虎」で堂々とした態度で臨むべきです。人生の多くのことは「はったり」で何とかなる、僕はそう本気で思っています。これから独立を考えている人、いまフリーランスの人は、はったりをかまして生きていったほうが有利になります。
格闘技はある意味で相手を欺く競技でもあります。1万円しか持っていなくても、100万円持っているように見せる。「俺はこれだけ持っているんだぞ」というのを表現するのです。そして、それこそが実力勝負の世界で生き延びていくコツであることを僕はこれまでの格闘技人生を通して実感しましたし、そのスキルはビジネスの場でも応用可能でした。
もちろん、余計なことを言ってくるやつに「うるせぇバカ」を連呼していれば、当然人に嫌われると思います。
嫌われることを気にする日本人は多くいます。そういう人は、まず、「嫌われる」ことが、どういうことなのかを自分なりに定義してみるといいでしょう。
仮に誰かに嫌われたところで、実は現実的には何も起きないことがほとんどです。たとえばネットでケンカしても、炎上するのはかなりレアケース。本当に危害を加えようとしてくるモチベーションがあるやつは、ほぼいません。