日本は分析データを韓国に示せ

この読売社説は韓国側の言い分をきちんと書いている。

「(日本と韓国)双方の見解は食い違う」としたうえで「韓国国防省は、海自機が駆逐艦の上空を通過する『異例の飛行』を行ったため、光学カメラで監視した、と主張する。火器管制レーダーは運用していないという」と書く。

日本の防衛省の見解にも触れ、「防衛省は、『火器管制レーダー特有の電波を一定時間継続し、複数回照射された』と強調し、駆逐艦の上を低空で飛行した事実はない、と説明している。レーダーの周波数や、駆逐艦の動きを詳細に分析した上での結論である」と書いている。

言い分や見解の違いを並べて書く。読んでいてスッと頭に入ってくる分かりやすい社説である。

ちなみに読売社説が書いているように防衛省が科学的データの分析を行ったというならば、防衛上、許せる範囲内で日本政府は分析した韓国軍のレーダーの周波数や駆逐艦の動きを韓国政府に示し、続けて抗議すべきだ。

韓国軍の統率が乱れているのではないか

さらに読売社説を評価したいのは、照射事件の原因や背景にまで触れている点である。

「自衛隊と韓国軍は、共同訓練を継続的に実施しており、制服組の交流も進む。レーダー照射は、偶発的なミスの可能性もあろう。仮に韓国軍の統率が取れていないのであれば、ゆゆしき問題だ」

韓国軍の統率が乱れているのではないか。読売社説も沙鴎一歩と同じように韓国軍部の暴走を疑っている。韓国の文政権にはしっかり政治力を発揮してもらいたい。

読売社説は「韓国政府は、原因を解明し、丁寧に説明しなければならない」とも訴えるが、その通りである。

「文在寅大統領は、自ら事態の打開に動くべきである」

最後に読売社説は「対日関係を巡る韓国政府の不誠実な対応が続いている」と指摘し、「徴用工判決」と「慰安婦問題」を挙げる。

「日本企業に元徴用工への賠償を命じた韓国最高裁の判決は、1965年の日韓請求権協定に反する。だが、韓国政府は、必要な対策を打たずにいる」
「元慰安婦を支援する財団を解散する方針は、慰安婦問題の『最終的かつ不可逆的な解決』をうたった合意を骨抜きにするものだ」

こう書いたうで「文在寅大統領は、自ら事態の打開に動くべきである」と主張しているが、これもうなずける。

(写真提供=海上自衛隊)
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