こうした現象からは「コンテンツファースト」という若者のエンタメ感が見えてくるのではないでしょうか。私たち40代以降の世代は、テレビやYouTube、リアルなど、チャネルの違いを意識しますが、若者はあまり違いを意識しません。テレビもYouTubeも、あるいは他のプラットフォームも、同じ土俵の上にあって、何を見るかは単純にコンテンツで選んでいる。配信するチャネルやプラットフォームは、その後ろについているものという意識なのです。

コンテンツを配信するチャネル、プラットフォームは急激に増え、若者たちは幼い頃からさまざまな領域でコンテンツを楽しんできました。「プラットフォームネイティブ」と言えるかもしれません。その中で自然と、コンテンツファーストの好みが身についたと言えます。

HIKAKIN&SEIKINのライブ(写真提供=UUUM)

その結果、プラットフォームがどれかよりも、コンテンツが何かを若者は求めるので、各領域を飛び越えたコンテンツが出始めていると考えます。

さまざまなプラットフォームは、若者の支持を求めます。そして若者はコンテンツファーストな考えを持っています。そうなると、若者に人気のコンテンツは、出身のチャネルやプラットフォームにかかわらず、別の領域にも呼ばれる。これは自然な現象といえます。当事者である若者にとっては、多数のチャネルをコンテンツとして一括りに考えており、その領域を超えることにはあまり疑問や抵抗を抱かないのでしょう。

「人」軸と「内容」軸で見る、新しいエンタメの分布図

若者世代の考えるコンテンツとは、大きく分けて2軸あると思います。ひとつは動画クリエーターや出演者といった「人」。もうひとつが、“ドッキリ”や“恋愛ドラマ”といった「内容」です。

「人」については、これまでに話した動画クリエーターの例が挙げられます。誰かのファンになれば、たとえそれがリアルでもテレビでもネットでも、プラットフォームに関わらず見にいきます。

一方の「内容」ですが、たとえばYouTubeでも“ドッキリもの”の企画や内容のコンテンツを回遊しながら視聴するのはよくある行動です。若い世代であれば、似た内容のコンテンツを探して別のプラットフォームに移ることも自然です。

つまり、若い世代にとって、コンテンツは「人」軸と「内容」軸で展開されており、そのグラフ上にあらゆるチャネル、プラットフォームが分布しているのでしょう。あくまで同じグラフの中に、さまざまなプラットフォームのコンテンツが同一面で存在しているイメージです。