「2020東京五輪でも『美しいレース』をしたい」

キプチョゲは34歳という年齢を考えると、パフォーマンスが低下してもおかしくないが、衰える気配を見せない。本人も、「限界は自分で設定していません。とにかく私は走ることが好きなんです。純粋に走ることが好きですし、マラソンも大好き。マラソンは世界中の人々に感動を伝えることができるので、それが素晴らしいと思います」と話している。

2020年東京五輪も「やることリスト」に書き込んでいるようで、「みんなが楽しんでもらえるような、『美しいレース』がしたい」と語る。

東京マラソンの参戦も考えているようで、近いうちに日本でもキプチョゲの神がかった走りを見ることができるかもしれない。

新しい「ナイキの厚底」で世界新をたたきだした

そして、そんな無敵の帝王をサポートしているのが、世界のマラソンシーンを席巻しているナイキの厚底シューズだ。「ズーム ヴェイパーフライ 4%」はキプチョゲらの要望をもとに作られたモデルである。

キプチョゲ選手が履いた「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4% フライニット」。価格は税込みで2万8080円(写真=NIKE)

「私は衝撃吸収に優れたシューズを希望しました。いろんなシューズを履いてきましたが、『ズーム ヴェイパーフライ 4%』を履くようになって、リカバリー(回復)のスピードが速くなったと感じています。それはケガの予防にもつながっているんじゃないでしょうか。本当に軽くて快適で、地面の衝撃をしっかり吸収してくれるシューズです。ナイキにさまざまな意見を提供して、フィードバックを受け取る。そういうやりとりを何度も繰り返しながらやってきました。ベルリンマラソンで履いた新しいバリエーション『ズーム ヴェイパーフライ 4% フライニット』は、軽いのに、さらに衝撃を吸収してくれる快適なソールです。それが終盤のペースアップにつながったと思います」

「鬼に金棒」という言葉があるが、キプチョゲとナイキの厚底シューズはまさにその関係だろう。さらに、キプチョゲがその厚底に勝るとも劣らない絶大な信頼感を寄せているのがサング氏という最強のパートナーなのだ。

(写真=NIKE)
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