27年間の積立投資で資産を増やす

Aさんの年間貯蓄額は150万円なので、1カ月あたりでは12万5000円。この資金を毎月、投資信託による積立投資ができれば理想的だ。積立投資の基本は全世界の株式に投資する投資信託だ。月12.5万円を27年間、期待リターン年率5%で運用をした場合には、累計の投資額が4050万円に対して、評価額は約8420万円まで上がる。

「そんなに増えるのか」と思う方は、インターネットで「金融電卓」と検索してみてほしい。実際に試算して、資産形成の利回りのシミュレーションができるサイトがさまざまヒットする。一度試算すれば、複利効果がいかに大きいかがよく理解できるだろう。

8420万円には利益分に税金がかかるため、もちろん全額受け取ることはできない。しかし、12万5000円の積立投資の資金の一部を、「iDeCo(個人型確定拠出年金)」や「つみたてNISA」といったなるべく税優遇を受けられる制度を利用することで、税負担を減らせる。そして、貯まった資金に退職金やこれまでの貯蓄を加算すると、「金融資産1億円」が見えてくるという計算だ。

「うまくいくわけがない」という考えもあるだろう。だが、株式投資信託による長期・積立・分散投資で時間を味方に付けることは、仕組み・有効性・過去の実績などを考えても効果が期待できることを資産形成アドバイザーとしては強調しておきたい。

資産形成は続けることが大事

資産形成を成功させるうえで大切なことは、「資産形成を止めないこと」である。株式投資信託による長期・積立・分散投資は世界中でその効果が認められている方法だ。書店にも読みやすい本がたくさん並んでおり、初心者でも気楽に始められる。だが実際には、途中で止めてしまう人も多い。

毎月同じ金額をずっと長期で投資し続ける積立投資の本質は、「量を積み上げること」だ。株式投資で避けて通れない相場下落局面は「量をいっぱい買う」のに必要な時期でもある。ただ、そういう時は世の中に悪いニュースが多く、不安になって投資を止めてしまう人が大勢いるのである。そうならないよう、「まず10年は続ける」と決めて是非継続してほしい。

福田 猛(ふくだ・たけし)
ファイナンシャルスタンダード 代表取締役
大手証券会社を経て、2012年に金融機関から独立した立場で資産運用のアドバイスを行うIFA法人ファイナンシャルスタンダード株式会社を設立。資産形成・資産運用アドバイザーとして活躍中。2015年楽天証券IFAサミットにて独立系アドバイザーとして総合1位を受賞。著書に『投資信託 失敗の教訓』(プレジデント社)がある。
(写真=iStock.com)
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