東京都港区で暮らす33歳・会社員のAさんは、「リタイア時に1億円の資産が欲しい」と漠然と考えている。相談を受けた資産形成アドバイザーの福田猛氏も、「港区での生活を続けるには、その程度の資産形成が必要」と分析する。しかし今のAさんが毎年貯蓄できるのは150万円ほど。これでは足りない。そこで福田氏が出した「1億円達成」への提案とは――。

港区の利便性や満足感「捨てるのは難しい」

※写真はイメージです(写真=iStock.com/oneinchpunch)

東京都港区。東京のど真ん中で、おしゃれな街がたくさんあり、憧れを持つ人も少なくない。そんな憧れの街で生活をしているAさん。赤坂の企業に勤めるAさんは大学卒業後現在の会社に就職し、仕事もバリバリこなす。職場からも近い南青山に数年前に引っ越してきた。「家賃は高いけど利便性が良く、おしゃれなお店も多くすごく満足している」という。これまで仕事中心の生活をしてきて、現在独身で33歳になったAさんは、「老後のことも含め、資産運用のことも考えていきたい」と語る。

Aさんは自身のライフスタイルに満足しているものの、お金の問題については不安も抱えている。家賃や物価なども他の地域と比べて高く、このままずっと暮らしていきたいけど、今のままで良いのだろうかといった漠然とした不安だ。

1年の貯蓄額150万円をどう増やしていくか

Aさんの年収は700万円と同年代の女性よりも高め。

一人暮らしで、家賃は月約16万円。会社から5万円の補助が出るので、自分で11万円を支払っていることになる。港区の一人暮らしの賃貸物件の相場は10万~15万円程度が多いとのことだが、Aさんは港区の中でも家賃が高い南青山に住んでいるため、家賃は割高だ。

Aさんの支出は、家賃で月11万円、光熱費・食費・通信費・被服費などで合計10万円程度、交際費などで5万円程度と、毎月合計26万円ほどの支出があるという。総務省の家計調査(2017年・家計収支編)によると、単身世帯の支出の平均は約16.1万円程度なので、やはり支出は多めと言えるだろう。