30代前半からの運用で、資産1億円も夢じゃない

こうして無駄な出費をなくしたうえで、せっかく資産運用の意欲があるのだから、投資に振り向けたいところ。年収700万円台の世帯に加谷氏が勧めるのは株式投資だ。「月4万円の自己投資代を丸ごと株に充てればいい。セミナー費を払うより、自分で株をやるほうがよほど勉強になる」という。

では何に投資すればいいのか。加谷氏はインデックスより個別株を勧める。「最もシンプルなのは、投資先の過去5年間の業績推移を見ること。財務諸表など読めなくても売り上げだけ見れば大丈夫。5年間順調だった会社が、翌年、急にダメになることはまずない」。

いざ株式投資を始めるなら、少しはまとまった「種銭」が欲しい。「自己投資代をまずは5カ月分貯めて20万円。これを原資にして、たとえば四半期ごとに一定額を買い増していく。配当が出たらすべて再投資に回す」。短期間に売却して荒稼ぎしようとするのではなく、長期間保有し続ける、いわゆる「バイ・アンド・ホールド」という投資手法だ。ある程度の価格変動があるとしても、長期的に見れば、一定の利率でリターンが得られるという考え方が根底にある。「こうして長期的なリターンを狙うのが株式投資の王道。30代前半のいまからはじめれば、50代のころにはかなりの蓄えになっているはず。大袈裟ではなく、1億円の資産形成も夢ではありません」(加谷氏)。

こうして、月々の支出を減らして将来に備えておけば、安心して起業に踏み出せるだろう。

加谷珪一
経済評論家
日経BP社、野村証券系投資ファンド運用会社を経て独立。億単位のお金を動かす個人投資家としても知られる。
 

午堂登紀雄
投資コンサルタント
米国公認会計士、不動産コンサルタント、個人投資家、ビジネス書作家。33歳で資産3億をつくる。
 

横山光昭
家計再生コンサルタント
マイエフピー代表。ファイナンシャルプランナー。代表著作は55万部を超えるベストセラーに。
 
(撮影=大沢尚芳、小原孝博 写真=iStock.com)
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