「ほかにいい人がいない」という消極的な支持
進次郎氏が石破氏を推す可能性は十分ある。進次郎氏は12年の総裁選の時も石破氏を支援している。その後も気脈は通じ合っている。
ただし6年前は、石破氏支援を明言せず、ひそかに応援していた。それでは安倍氏の優位をひっくり返すインパクトにはならない。進次郎氏が国民の前で石破氏支援を明言し、連日一緒に遊説することで初めて「タッグ効果」が機能する。
石破氏も、進次郎氏が自分の支持を明言してくれることの重要性を理解している。7月9日に都内で行った講演では、進次郎氏が提唱している国会改革について「必要なことだ。同感だ」とエールを送った。進次郎氏との共闘を期待しての発言だったことは言うまでもない。
17年前を知るベテランの自民党関係者の間では「当時の橋本氏と今の安倍氏が似ている」というささやきが漏れる。橋本氏は、永田町内の「数の力」では圧倒的優位に立っていたが、熱狂的な支持はなかった。今の安倍氏も「ほかにいい人がいない」という消極的な支持に支えられている。別に魅力的な選択肢が出れば形勢が一気に変わるかもしれないのだ。