漢方薬を月5万買う娘、年金頼りの家計は年70万の赤字
現在のご家族構成や収入、支出などをうかがったところ、以下のように整理することができました。
【家族構成】
母:83歳 年金受給者
長女:57歳 無職
父は2年前に他界
長女に兄弟姉妹はいない
【現在の収入】
母:公的年金 年額190万円
※老齢年金と遺族年金の合計
【現在の支出】
生活費など:年額250万円
住居費(固定資産税など):年額8万円
支出の合計:年額258万円
【財産】
預貯金:700万円
※自宅は戸建てで持ち家あり
年間の収入は公的年金(老齢年金と遺族年金)の190万円のみで、支出は年間およそ260万円。赤字額はおよそ70万円になります。預貯金も700万円ありますが、このままの赤字が続くと約10年で預貯金は底をつきます。
▼「あと10年で預貯金は底をつく」危機をどう乗り越える?
母親亡き後の長女の生活を考えると、できるだけ預貯金は残したいところです。支出の見直しをするべく、支出費目をさらに詳しく聞き取りをすると、意外なことがわかりました。
「実は主人が亡くなった後、長女は漢方薬を買うようになりました。主人の死がきっかけで、将来に対する不安が急に大きくなったからかもしれません。不安をかき消そうと漢方薬を買ってくるのは仕方がないかもしれませんが、ちょっと効き目がありそうだと思ったらたくさん買ってきてしまうのです。でも、そのほとんどは未使用のまま。今でもいろんな漢方薬を買ってきており、薬代だけで月に5万円ほどかかっています。娘になんと言えばいいのかわからず、そのままにしています」
月5万円ということは年間で60万円。仮にこのお金が見直せるとしたら、現在、支出が年70万円オーバーしている家計は大幅に改善されることになります。
母親が長女にそうした厳しい経済環境にあることを説明できるよう、私はシンプルなキャッシュフロー表(将来のお金の見通しの表)を作成することにしました。