両親がひとり娘のために残した「個人年金」が窮地を救う

下記は母親が他界した後の収入と支出の大まかな見通しです。

【長女の収入】
・公的年金 年額76万円
・個人年金 年額120万円
※個人年金は60歳から70歳までの10年間受け取れる

【長女の支出】
・生活費など 年額120万円
・住居費(固定資産税など) 年額8万円
支出合計 年額128万円

実は、両親は長女にために個人年金に加入していたのです。私はこう言いました。

「娘さんには個人年金があるのですね! これはすごく安心できると思いますよ。娘さんはご存じなのでしょうか?」

「いえ、お金の話はいままで一度もしたことはありません。なかなかきっかけがつかめなくて……」

▼個人年金のおかげでキャッシュフローは劇的変化
写真=iStock.com/Wavebreakmedia

長女が事実上のひきこもり生活に入ってしまった20代の頃、娘の将来を心配した両親は話し合って個人年金の契約をしたそうです。しかし、長女は現在も個人年金のことは全く知りません。これはぜひ伝えてもらいたいことだと私は思いました。聞き取りがひと通り終わった後、最後にお母様にお伝えしました。

「話し合いのための資料作成にはお時間がかかりますので、後日ご郵送いたします。届いたキャッシュフロー表などの資料を使って親子で話し合ってみてください。個人年金は娘さんにとって大変心強いと思います。親御さんの優しさが伝わるといいですね」

「はい、わかりました。後日いただいたく資料をもとに、長女と話し合ってみます。今日はどうもありがとうございました」

母親は少し元気を取り戻したように見えました。