高金利で借り続け住宅ローンの見直しをしない人の「理由」

この試算を見て、賢明なみなさんは、「そんな高金利で借り続けて、住宅ローンの見直しをしない人なんているのか」と思うだろう。だが、現実にはいるのである。

総合情報サイト「ALL About」を運営するオールアバウトとSBIモーゲージ(現ARUHI)が共同で行った「住宅ローンの借り換えに関する調査」(2015年1月)によると、住宅ローンの借り換え経験の有無について、なんと半数以上が「行ったことはない」と回答している。※東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県在住の30~50代の男女671人を調査。

傾向として、住宅購入から年数がたっているほど借り換え経験者の割合は高くなり、2001~2002年の住宅購入者の約4割が1度か2度の借り換えを行っている。

2001~2002年といえば、住宅ローンの金利は、固定金利型で3.4~3.45%、変動金利型で2.375%だった。前述したように、「フラット35」の金利は2018年4月時点で1.35%のものもある。それでも、6割の人が借り換えを行っていないのだ。

▼住宅ローンを見直さずに放置する人は一定数存在する

なぜ、借り換えをしないのか。

理由について、同調査では「借り換えをする理由が特にないから」(47.1%)、「手数料がかかるから」(32.9%)、「手続きが面倒そうだから」(31.2%)などがあがっている。もっと低利のローンがあるのは知っているが、手間をかけて借り換えるほどのメリットはない、と思い込んでいるのかもしれない。

また「どの金融機関にしたらいいかわからないから」(14.1%)や、少数派とはいえ「住宅ローンの借り換えができるということを知らないから」(1.4%)という回答もあったそうだ。

いずれにしろ関心の低さや知識の乏しさから、住宅ローンを見直さずに放置する、という人は一定数存在しているのである。