仮想通貨が法定通貨と根本的に違うところはココ
ここで仮想通貨を考えてみましょう。仮想通貨には、政府の裏付けはありません。だれの負債でもありません。したがってファンダメンタルズも関係ありません。こうして考えると、仮想通貨の価格を決定するのは「需給」だけということが分かります。
私は、仮想通貨に価値はないとは言いませんが、それを裏付けるベースはなく、買う人が多ければ上昇し、売る人が多ければ下落するということ以外には、価格決定要因はないということなのです。
繰り返しますが、仮想通貨に価値がないとは言っていません。しかし、法定通貨とは根本的に違うものだという認識が必要なのです。
▼各国中央銀行が法定通貨としてのデジタル通貨を検討中
仮想通貨は、当初、自国通貨を保有するよりも国外への持ち出しなどが便利(通貨の交換が不要)だというような理由で、もっと言えばキャピタルフライト(資本の逃避)にも使いやすいという理由で中国人が大量に購入していました。
しかし、中国当局による仮想通貨取引所の閉鎖命令などがあり、中国での需要が急減。それに代わるようなかたちで日本人が大量保有をはじめたという経緯があります。ただ先ほども述べたように昨年末までは急上昇しましたが、他国政府でも取引所の閉鎖命令が出るなどして、今年に入り価格が大幅な調整局面に突入しています。
一方、株価の下落で、仮想通貨に一時的に資金が流入しましたが、株価下落幅があまりに大きかったため、仮想通貨の価格も軟調になりました。
仮想通貨の利便性には「決済のしやすさ」もあります。しかし、これだけ相場が乱高下しては決済手段として使いやすいと言いづらい状況にあります。
三菱東京UFJ銀行は、相場が円に対して変動しない仮想通貨の開発を進め、各国中央銀行も法定通貨としてのデジタル通貨を検討しています。よって、そう遠くない未来に、決済はこちらが主流になる可能性があります。
これらのことを考えると、現状の仮想通貨の価値が見直される時期もそう遠くないのではないかと私は考えています。