「上司と相談いたします」を引き出すコツ
「一括見積もりサイト」は転居日、現住所→転居先、家財のリスト、連絡先等を入力すると、登録業者に一斉送信される。するとすぐに各業者から挨拶メールと「訪問見積もり」を申し込む電話連絡が来る。
最初にメールで金額を提示してくる業者はほとんどないだろう。家財リストはあってもどの大きさのトラックが何台必要になるかは実際見てみないとわからないし、荷物を多めに想定した料金を提示しても、訪問見積もりに来た業者との交渉の叩き台に使われるだけだからだ。
各社との交渉は短期決戦がおすすめ。日数をかければ安くなるというものではないし、逆にトラックのスケジュールが埋まると当初は可能だった値引きができなくなってしまう。
そこで、訪問見積もりをある日の午前中に集中させてはどうだろう。1社40~50分目安で9時から始めれば昼過ぎには各社の見積もりが出揃う。どの担当者もその場で決めてもらおうとするが、「他社のアポがあるのでこの場では決めないが、午後には決める」と伝えればいい。
そうして各社の提示額を比較し、ここぞと思う担当者に電話して「○社は○万円まで下げると言っているが、これより安くしてくれたらおたくで決める」と言えば、“最後の一押し”が引き出せる。意中の業者がある場合はアポを最後にして、それまでの最安値の提示額を言えば「上司と相談いたします」となる。
契約書にサインをしたら他社に断りの電話を入れる。営業員は慣れっこなので気遣いは無用。直接言いづらければ、お客様センターに連絡してもいい。
Answer:複数の業者を競わせ“最後の一押し”を引き出す
34歳、大手引っ越し会社の現役営業担当。学生時代に明け暮れた作業員のアルバイトをきっかけに、関東・関西地盤の中堅業者に就職。営業トップの成績を挙げて、5年前に現在の会社に移籍。