決して年収は高くないのに、お金を貯められる人がいる。どこか違うのか。雑誌「プレジデント」(2017年2月13日号)の特集「金持ち夫婦の全ウラ技」より、人生の3大出費のひとつ「住宅」にまつわる知恵をご紹介しよう。第11回は「引っ越し料金の交渉」について――。(全12回)

引っ越し料金を決める「3要素」

引っ越しの見積もりは交渉次第で半値近くになるのはざら。日程も距離も荷物量も様々で、相場に精通している人も少ないだろうが、業者側の事情と手の内を知っておけばスマートに交渉ができるだろう。

料金は基本的に「車輌費」「人件費」「付帯作業費」で決まる。この構成はどこも同じだ。

「車輌費」とはトラックの大きさ・台数・移動距離(または時間)で、担当者が荷物の大きさや重量を見て判断する。不用な家具等を処分すれば安くなる可能性はあるが、トラックの台数が変わるくらいでなければ多少荷物が増えようが減ろうが同じだ。

「人件費」はトラックの台数や作業内容に応じて決まる。搬入に特別な作業員を要したり、荷造りや荷解きまで依頼するとそのぶん費用が増える。「付帯作業費」とはエアコン設置や不用品処分などで、提携業者に外注するものもある。

見積もりでは前記の合計から値引きをするが、実際は「車輌費」からの値引きがほとんどだ。業者はトラックを動かさなければ1円にもならない(トラックが動けば作業員も動く)。トラックや作業員を遊ばせておくくらいなら、値引きをしてでも動かしたいとなるのは道理だろう。

したがって、転居日が決まったら早め(まだ予定が空いているうち)に申し込み、可能であれば繁忙期(3~4月)・月末・週末・午前出発などでないほうが交渉の余地が大きくなる。

早めの交渉開始と短期決戦がコツ

見積もりは複数の業者(3~5社)に依頼するのがポイント。意中の業者があるとしても、競合があるとなしでは大違い。時期や荷物の量による「相場」も知ることができる。ネットの「一括見積もりサイト」を利用すると、最初から競合の存在を意識することになるので話が早い。