学費の最高は6年で4550万円だが、最安値は1850万円!
【1:お買い得な医大が増えている】
前述したように国公立大の医学部の学費は6年間で350万円ととてもリーズナブルだ。実は安いどころか学費0円の大学も存在する。その日本一財布に優しい大学とは、防衛医科大学校(埼玉県所沢市)である。学費タダで全寮制、おまけに給与・賞与もある。よって仕送りゼロでも卒業可能である。ただし基本的に“軍医”養成校なので、在学中にはパラシュート降下・野営などの訓練が必須となる。また卒業後9年間の自衛隊勤務が必須であり、違反時には最大5000万円を返還しなければならない。
同様に、学費0円なのが自治医科大学(栃木県下野市)である。卒業後、受験生の出身都道府県の公立病院などに9年間勤務(うち2分の1は、知事が指定するへき地などの病院に勤務)した場合は返還が免除される。
一方、私大医学部は学費と偏差値が反比例する。つまり、偏差値の高い大学は学費が安く偏差値が比較的低い大学の学費は高額となる。ここ10年の間では学費を大幅値下げし、同時に入試ランキングを上げた大学が目立った。受験生が殺到し、倍率が上昇したのだ。
学費を値下げした例としては、順天堂大学(東京都文京区)が2008年に3050→2113万円とし、帝京大学(東京都板橋区)が2014年に4920→3750万円とした。両校とも入試偏差値と医師国家試験合格率の上昇を示した。そして2017年開校の国際医療福祉大学(千葉県成田市)は1850万円という私大医学部「最安値」を更新し、「私立医大の価格破壊!」として受験生の人気を集めた。開校初年度でありながら早稲田大学・慶應義塾大学の理工学部レベルの高い偏差値を示した。こうした流れを受けて、きたる2018年度の受験では名門の日本医科大学(東京都文京区)も学費大幅値下げを予定している。
現在、日本一高い大学は4550万円の川崎医科大学(岡山県倉敷市)だ。学費が高いと偏差値は低いのだが、だからといって簡単に合格できるわけではない。早慶の非医学部レベルの難易度は覚悟すべきである。
▼特待生に選ばれると学費1850万円→710万円
【2:特待生になるとさらにお得】
医学部進学の目的は医師免許取得である。医師国家試験の合格率は公表されており、各医学部のイメージに直結する。ゆえに、各大学は特待生制度を設け、安めの学費で少数の優秀な学生を確保し、入学者のコアメンバーとして配置し、国家試験対策のキーパーソンにしようとしている。例えば、国際医療福祉大では、特待生に選ばれると学費1850万円→710万円と大幅値引きされる。同様の特待生制度は多くの大学に存在し、大学ウェブページなどで公開されている。朝から授業を最前列で聴いて、ノートをせっせと取る真面目タイプにお勧めである。