台湾では、ライターや翻訳、観光地の取材の仕事をしています。

実は東京に住んでいた頃から、観光ガイドブックのテクニカルライターを不定期でやっており、現在はその編集部から台湾の取材と執筆を委託されています。現地の会社に売り込みに行って、取材の仕事を受けることもありますが、正直いつもあるわけではなく、日本と比べるとギャラもかなり安いです。

あとは翻訳の仕事、ウェブサイトや書籍用の文章をリライトする仕事など。これを合わせると、日本円で月平均4~5万くらいの収入でしょうか。フリーなので週何日とは言いづらいのですが、だいたい1カ月仕事をしたら、あとの2~3カ月は遊べる、という感じです。

生活を「衣食住」でざっくり分けてみると、「衣」はほとんど変化がありませんでした。

普段から、世界中どこでも手に入るようなベーシックなものしか着ないのと、日本の春夏秋の服装+1枚だけ冬服(寒い日用)でやっていけるので、暖かい台湾ではむしろかさばる冬服が少なくなり、手持ちの服が減りました。

「住」についても、あまり変化はなかったです。

人間が家でやることは、どの国でもほぼ一緒ですよね。基本は食事・排泄・入浴・睡眠。これ以上のことは贅沢を言えばキリがありませんが、隠居生活には十分です。

亜熱帯の異文化で変わる食生活

海外に住んで最も変わらざるを得なかったのは「食生活」でした。

部屋にキッチンがないということは、食事のたびにわざわざ私の部屋(4階)から地上に降りて食べ物屋まで炎天下を歩いて行かなければならない、ということです。しかも学生街の屋台ですから、炭水化物・肉・油多めで、三十路の胃にはつらいものが……。

これを極力減らすために、なるべく火を使わなくても食べられるものを多めに冷蔵庫に常備するようになりました。

朝は有機シリアル、夜はフルーツ。昼だけ野菜たっぷりの精進弁当を買う、という感じにしています。

よく行くオーガニック市場のマンゴー。1個35元(約130円)/写真:著者提供

それでも、気分・体調に合わせて量や味付けを変えられる自炊の自由さを知っている身には、外食に合わせなければならないのは若干ストレスです。