「支持率下落」が負の連鎖を呼ぶ

報道機関が世論調査を行うのは、1カ月に1回程度だ。しかし、10を超える新聞、テレビ、通信社がそれぞれ1カ月に1回調査を行うから、結局、月曜日には必ずどこかの新聞で世論調査結果が報じられ「下がった」という情報が会員制交流サイト(SNS)などで拡散されていく。まさに、負の連鎖だ。

もちろん、好調な時は、毎週「支持率アップ」「高水準続く」と宣伝してもらえる。2012年暮れ4年半の間は、この状況が続き「安倍1強」を現出していたともいえる。今は、その逆になっている。

世論調査からみる安倍内閣の深刻さは7月12日にアップした「もう末期"世論調査"でみる安倍内閣の体力」(http://president.jp/articles/-/22578)で詳しく報じた。概要を簡単に再録しておきたい。

永田町では、2カ月連続で内閣支持が4割を割り込むと「危険水域」と言われる。今の安倍政権は既に完全に「危険水域」に突入している。

内閣支持率が低いだけでなく、不支持率が高い。しかも不支持の理由は「安倍氏を信頼できない」という回答が急増している。

内閣支持より自民党支持が高い調査結果が出始めている。この場合、党内に「安倍氏に足を引っ張られている」という空気が高まり、政権に遠心力が働く。

12日に指摘したこれらの傾向は、今も全く変わっていない。その後発表された調査も含めて分析すると、新たに、公明党支持層、中高年、そして無党派層の安倍政権離れが著しいことが明らかになってきている。