本末転倒 積み立てをしているのに毎月赤字

家計は全体的にメタボ家計な印象で、毎月赤字。食費、日用品が家族構成の割に高く、生命保険料、娯楽費、被服費も高め。貯蓄は90万円のみです。聞くと、やりくりや家事全般は奥さんがすべてやっており、残業などが多いWさんは、ほとんど手伝わないとのこと。

そのため、仕事をしている奥さんの負担感が大きく、外食が多くなったり、気分転換に買い物してしまったりということが多く、お金が残る月はほぼないとのことでした。

積み立てをして生活費が赤字というのは、本末転倒な話です。お金の掛け方のバランスが悪いことはすぐにわかることですので、まずは赤字であるのに毎月7万円積み立てているという老後資金について検討しました。

現在、Wさんは生命保険で、また奥さんはiDeCoで老後資金を積み立てています。

Wさんの生命保険の内容は5年ほど前に加入したドル建て終身保険(60歳払込 死亡保険金500万円)を毎月3万円、最近契約した個人年金保険(60歳払込 受取年金年額72万円 )を毎月1万8000円です。積み立てはどれも60歳になるまでは原則使えない資金。

貯蓄が90万円しかなく、増やしていくことも難しい家計状況なので、老後資金ばかりを積み立てている場合ではありません。積み立ての内容を変えていくことも必要です。

Wさんの個人年金保険はまだ契約して1年ほど。私のアドバイスを元に検討し、今ならダメージは少ないと考え、解約することになりました。個人年金保険は、現状、利率がよくありませんし、将来的なインフレリスクも心配です。また、運用のほうに関心があるそうですので、契約して5年がたっているドル建て終身保険についても個人年金保険同様、私に質問を繰り返しながら自身でよく検討し、結果、保険金額を減額し、継続していくことにしました。

奥さんのパッケージ型の定期保険特約付終身保険は更新のたびに保険料が上がってしまいますし、必要な保障内容に過不足があるので解約することにしました。その代わり、貯蓄がないのに医療保障が不十分だったので、夫婦ともに医療保険に加入しました。必要な保障を得、一部老後資金作りも残しながら、保険料は半額に減らすことができました。