和食に中華に洋食に。アレンジ自在の「ブライン漬け」料理
豚の赤身の切り落としや、鶏のむね肉・ささみは、ヘルシーで家計にも優しい食材の代表選手。脂が少ない分、パサつきや硬さが気になることもあるが、これを解決してくれるのがブライン漬けだ。
で、ブライン漬けって何?
「ブライン漬けは塩水漬けとも呼ばれるように、塩水に少しの砂糖を加えた液に漬け込む調理法。肉の繊維に液が浸透してしっとり柔らかくなり、下味をつける役割も果たします」
一般的には液に漬けた肉をそのまま調理するが、上田さんはつくりおき素材としてもうひと工夫。あらかじめ酒蒸しにしてからストックする方法を薦めている。
「加熱すれば生で置くより保存がきいて、風味も落ちにくい。ツナやハムのような感覚でそのままサラダなどの具にできますし、煮物や炒め物にする場合も、火が通っているので調理時間が短くて済む。火入れを二度することになりますが、それでもパサつかないのはまさにブライン漬けの効果です」
塩豚や塩鶏と似ているが、直接、塩をすり込むより液体につけるほうが味が均一になじんで失敗がない。
そして、ブライン漬けにした肉を使った上田さんのアレンジの多彩なこと! これだけバリエーションがあれば、しばらく飽きることはない。
「長期保存はきかないので、2~3回で使い切る量を目安に。肉が余ったときや特売のときに仕込んでおくと便利ですよ」
鶏むね肉のブライン漬け
▼材料
鶏むね肉…1枚(300g程度)、粗塩…5g(小さじ1)、砂糖…5g(約大さじ2分の1)、水…100ml、酒…大さじ2
▼つくり方
(1)鶏むね肉は、厚みが均一になるように2枚に切り、厚い部分は包丁で開く。
(2)表裏ともフォークで数カ所穴を開ける。
(3)ビニール袋(保存袋など)に塩、砂糖、水を入れ、口をしっかり閉じてよく振り、塩と砂糖を溶かす。
(4)3の袋に2を入れ、鶏むね肉が液に浸るように空気を抜き、冷蔵庫に半日置く。
(5)袋から鶏むね肉を取り出して汁をきり、酒を入れたフライパンに重ならないように置く。
(6)蓋をして、中火にかける。煮立ってきたら2分加熱して火を止める。冷めるまでそのまま置く。
(7)冷めたら蒸し汁ごと保存容器に入れて蓋をし、冷蔵庫で保存。