だが、海老氏のアドバイスには、胸を突かれるものがあった。「まず、名刺を作ろう」「家にいないで外に出よう」「持ち前の英語力を磨こう」……。

「結局、私はずっと受け身だったんですね。ただ待っていただけだった。この2年間で、自分が本当に錆ついてしまっていたのだと気付きました」

外で他者と話す機会が少なかったせいで「声がちゃんと出ていない」と海老氏に指摘され、ボイストレーニングも受けた。ほかにも抱えきれないほどの課題を課せられた。それらをこなす忙しい毎日が訪れた。「気持ちがだんだん前向きになるのを実感しました」。

成果はすぐに表れた。

「特に功を奏したのは、社長宛ての直筆手紙です」。

面接の話が来るようになった。2カ月間に100通の手紙を書き、「会おう」と言ってくれたのは15社。それまでの2年間で20社だから、格段の進歩だ。うち4社で2次面接に進み、ついに中小機械メーカーから内定が出た。

「年収も希望をちょっと下回る程度」と満足の様子。夫人からも祝福されたという。

「自分から攻めたことが結果につながった」と滝本さん。老母を老人ホームに預け、今、新たなスタートを切る。

海老一宏
アクティベイト社長。面談6000名以上、紹介実績200社以上。転職サイト「ミドルの転職」(エン・ジャパン)利用者評価で6年連続トップ。
 
(共同通信フォト=写真 小原孝博=撮影)
関連記事
再就職支援の実態と3つの成功条件
外資は学歴関係なし! 転職8回、年収1000万超の真実
「夫が洗った皿をすぐ洗う」妻は再就職に困る
揺れるバブル入社組「リアル半沢直樹」の7年後
平成ゆとり、昭和バブル……職場の“世代間ギャップ”にどう対応する?