巷では、男性プレーヤーが女性プレーヤーに声をかける「ポケモンGOナンパ」も頻発していると聞く。プレーヤー同士ならはじめから共通の話題があるし、どれほどポケモンを集めたかがわかる「図鑑」を見せ合ったりすれば、簡単に会話も弾むだろう。渋谷の109やハチ公前はさながらハロウィンシーズンのような雰囲気になり、「どのキャラ出た? いいスポット教えようか」と女性に声をかける男性もいた。余計なお世話である。

この人気に危機感を覚えたニューヨーク州では、性犯罪者の「ポケモンGO」のプレイを禁止する方向で動いている。性犯罪者が「ポケモンGO」をエサに子どもに声をかけ、再び罪を犯さないようにするためだ。しかも「ポケモンGO」には、好きな場所にポケモンを呼び寄せられる「ルアーモジュール」という課金アイテムがある。これがもし犯罪者に使われたら……。ポケモンに引き寄せられた子どもが、危険な場所に近づいてしまうことになる。

冒頭の女性が経験したように、「家の中に入れろ」と言うのも行きすぎた行為だ。丁重にお断りしても、「もう知り合いじゃないすか」と相手は一向に引かないらしい。なかば引きはがすようにしてマンションに入り、ベランダから外を見ると、眼下には「水戸」「宇都宮」「前橋」など北関東ナンバーの車の列と、スマホを見ながら歩く大勢の人の姿が見えた。女性の家は、夜な夜な車で遠征するほど「ポケモンGO」的に恵まれた環境だったのだ。先のナンパも、女性ではなくレアポケモン目当てだったのだろう。ちなみにこの「家に入れてくれ」というオファーはその翌日にもあったそうだ。「ポケモンGO」プレーヤーの情熱は計り知れない。近所では、その日のうちにパトカーによるパトロールがはじまった。

しかし、30日になり、あるニュースが飛び込んできた。なんと、ポケモンの出現場所のシャッフルが行われたというのだ。今度はどこに「レアポケモン」が出現するのか。それは誰にもわからない。

(撮影=プレジデント編集部)
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