25~34歳男女比 東京100:95 鹿児島100:107
さて、鹿児島では若者の流出が多いのですが、その度合いは男女で違っています。想像がつくと思いますが、女子よりも男子で顕著です。図1によると転入超過率のマイナスのピークは10代後半ですが、女子は-2.7%であるのに対し、男子は-5.2%となっています。
「男子は外に出してもいいが、女子は……」と考える親御さんはいるでしょう。私の高校のクラスにも、九州大学に受かる力があるのに、女子だから地元の鹿児島大学にしろと、親に言われていた女子生徒がいました。就職時(20代前半)の流出量にも、ジェンダーの差がみられます。
10代後半から20代前半にかけて男性は出ていき、女性は残る。
となると、それ以降の年齢層では女性のほうが多くなるのが道理です。結婚期の25~34歳人口をみると、2015年の鹿児島では男性が8万3198人、女性が8万9403人となっています(1月1日時点)。男性100人に対し、女性107人です。
東京の同年齢人口は男性が98万3632人(100)、女性が93万7869人(95)で、男性のほうが多くなっています。私のように、地方から流入してきたオトコがひしめいているためでしょう。
こうみると東京よりも鹿児島のほうが、男性にとって結婚しやすそうですね。私は独身ですが、「結婚したいなら帰ってこい。居残っている女性はたくさんいるぞ」と高校時代の恩師から言われたことがあります。なるほど、さもありなんです。
他県はどうなのでしょう。図2は、結婚期の人口の男女比をマップにしたものです。
男性よりも女性が多い県(濃い色)は、近畿や九州に多くなっています。トップは、わが郷里・鹿児島ではありませんか。
関東は女性比率が低いですね。東京や神奈川などは、地方から流入してくる男性が多いためですが、最低の茨城は男性よりも女性の流出が多いためです。この県では女性が学べる高等教育機関が少ないのか、あるいは女性にとって魅力的な就業機会が少ないのか。若年女性が置かれた状況を点検してみる必要がありそうです。