休暇をとりながら働くことの効果
たとえば人生の始め25年ほどを勉強に費やし、その後40年を働くことに使い、老後をおよそ15年ほどと試算する。ステファンが提唱するのは、この15年のうちの何年かを分割して、働いている現役時代に配分することだ。たとえば、表のようなイメージだ。
これなら退職は先に伸びるが、その分働いている期間をより充実した形にできるわけだ。あくまでもサンプルに過ぎないが、ひとつの働き方の例といえるだろう。ときにじっくり休んで充電をして、また仕事に戻ることで集中して仕事ができるだけでなく、休養中に得た経験から新しい発想が生み出せるようになる。
イスラエル、アメリカ、ニュージーランドの研究チームが、サバティカルで休業をとった研究者の健康状態、ストレスレベル、対人関係について調査をして発表している。それによると、休業をとった職員は、よりエネルギッシュになり、新鮮な気持ちで研究にとりくみ、プロとしての意識がより高まっている。何よりも、健康状態がよくなり、ストレスレベルが在職中よりもはるかに下がっているそうだ。
さらには、できる限り街を離れ、仕事と関係のない場所で過ごした職員のほうが、どこか仕事につながっているよりもよい結果になっているという。そのためこの研究者たちは、企業に対してもサバティカルの制度を推奨している。
1年の休業はより仕事の能率を上げ、発想をクリエイティブにしてくれるものだが、企業に居ながらの休業はそう簡単なものではないだろう。ならば、もう少しだけ短くして、休業により効果的に“脳休め”をする、こんな研究も発表されている。