医学的には、月経痛がひどくて日常生活に支障をきたすような状態を「月経困難症」と呼ぶ。月経困難症には器質性と機能性の2つのタイプがある。子宮筋腫など月経を重くさせる病気のある場合が器質性。小中学生の4人に1人が月経困難症とのデータもあるが、病気とは関係のない機能性がほとんどだ。
頻度は少ないものの、高校生、大学生になると子宮内膜症になる子もいる。子宮内膜症は、子宮の中にしかないはずの子宮内膜が卵巣など子宮内膜以外の場所で発生し発育する病気で、月経困難症や不妊の原因になる。
「市販の鎮痛薬で月経困難症が改善しなかったり、心配があるなら小中学生であっても婦人科で相談してみてください。別の種類の鎮痛薬や漢方薬で対処したり、場合によっては、低用量ピルの一種である月経困難症治療薬を使ったりする手もあります」と岡野先生はアドバイスする。
我慢して乗り切るものではないことを覚えておこう。
……遺伝はありません。親子や姉妹でも月経痛の重さや頻度は異なります。
◆特に痛くなるのはどういうとき?
……体調がよくないときはひどくなることも。腹痛のほか腰痛、頭痛、肩こり、ひどい場合は嘔吐や失神をする場合もあるようです。
◆月経痛でピルを使うのはどういうとき?
……ピルは月経痛によく効きます。しかし、身長の伸びが止まっていれば使えますが、小中学生ではほとんど使われません。高校生以上になると使う場合も。月経の時期を調整できるので、受験やスポーツなどの重要な行事の際、使用する人もいます。
※月経の期間は3~7日、次の月経まで25~38日の周期が正常とされるが、初経後しばらくは出血量が少なく月経周期が不定期であることが多い。