これがインターナショナルレベルだ
ハイレベルの攻防が続いた。ひとり一人のプレーの精度が高く、強く、前に出た。彼らの実績だけでなく、両チームとも、ふだんのハードワーク(猛練習)と周到な準備も見て取れた。だからオモシロかった。
試合は17-17のドローである。冨岡監督は「もちろん勝ちに行っての引き分けでした。ただ、選手たちに対しては最大限の賛辞を贈りました」と言った。
「日本ラグビーのスタンダード(標準)を引き上げるため、ワールドカップの終了後、シーズン中にもかかわらず、多くのジャパンの中心選手がメディアに露出して、がんばってくれました。でも、試合の内容が伴っていないと、ラグビーは衰退していきます。だから、国内の最高峰の試合をしようと思って、最大限の準備をしてきました」
リーグ戦序盤はチケット販売方法の不手際などの理由で空席が散見されたが、日本ラグビー協会やチーム企業側の改善・努力もあって、無駄な空席も無くなった。
人気と強化が好循環にはいった。国際経験豊富なパナソニックのロビー・ディーンズ監督は「インターナショナルレベル」という言葉を繰り返した。
「素晴らしい2チームによる、最高の試合をお見せすることができたんじゃないでしょうか。日本のラグビーが、高度なワールドラグビークラスになってきている。インターナショナルのレベルになったと思います。インターナショナルの選手たちがグラウンドに立って、インターナショナルレベルの試合をお見せすることができました」
とくにコンタクトエリアの攻防は見ごたえ十分だった。ボールを持った選手、サポートプレーヤーの精度、ブレイクダウン(タックル後のボール争奪戦)に入る、入らないの判断……。試合では、ターンオーバー(ボール奪回)の応酬となった。