「正解はひとつ」ではない
ある日、自分の高級車を自慢げに見せびらかしている学生がいて、私は「これみよがしだね」と言いたかったのですが、「これみよがし」という単語がわからず黙っていました。すると1人の日本人留学生が、He was like“Look at this!”(見て見て、って感じだね)と言ったのです。
「そんな簡単でいいんだ!」と天地がひっくり返るほどの衝撃を受けました。
学校のテストなどでは、大半が「正解はひとつ」というスタンスです。そして私たち自身も、そう信じてしまいがち。この思い込みが、私たちをがんじがらめにしているのです。
本当は「乱気流」や「出くわす」が出てこないなら、It was like a roller coaster.(ジェットコースターみたいだった)、The flight wasn't smooth, so I couldn't sleep.(フライトがスムーズじゃなくて、眠れなかった)というように、自分の知っている言葉で言い換えればちゃんと伝わるのです。一度で伝わらなければ、また別の言葉で繰り返せばいい。つまり、学校教育でしみついた思い込みを捨てることこそ、英語が話せるようになる“ずるい”方法なのです。
この方法のいいところは、手を替え品を替え、いろんな言い方を試してみることで、「絶対に伝えるぞ」という気迫が生まれること。この気迫があれば、自然と声が大きくなり、ジェスチャーもつくから、相手をも「受け取らなくては」という気にさせます。
発音がカタカナだって、三単現のsが抜けていたって、きっと誰も気にしません。ほかの国の人はみんな、もっと無茶苦茶な英語でも自信満々で話しているし、話すからなおさら上達します。日本人は黙っているから上達しないだけ。日本人がみんなこの方法で英語を話しはじめたら、日本は変わると私は信じています。
さっそく「捨てるべき4つの思い込み」を説明します。さあ、何も臆することなく、どんどん発言していってください。