付き添って通院の大変さを実感せよ

通院にはできるだけ付き添うようにしていますが、仕事や家事などが忙しいときは、自宅から最寄りの駅まで送っておわりにします。徹夜で仕事をして体調を崩した日は、駅までの見送りもしないことがあります。

私の場合、通院の前日や当日の朝は、妻の気持ちが少しでもラクになるよう、可能な限り、気遣うようにしています。通院には不安が伴いますので、この気遣いが大切だと思っているのです。

たとえば、通院の前日はいつもよりも夫婦の時間をゆったりもつようにしたり、当日の朝はいつもより早起きしておいしい珈琲を入れたり、にんじんジュースをつくったり、家事を一生懸命したりするなど、サポートする姿勢を行動で示すようにしています。

闘病しているパートナーのサポートをしている人は、1度通院に付き添ってみてください。会社に行かなくてはならない人でも、有給をとって付き添ってみることをお勧めします。これは、通院の大変さが少しは感じることができるからです。

この大変さを少しでも感じていなければ、気づかないうちに「病気なのだから通院するのは当たり前」「通院は病気を治す前向きなこと」といったような感覚に支配され、本当の意味でパートナーの気持ちになって思いやることができなくなってきます。決して珍しいケースではありません。

こうなると、「検査の結果がよかった」と報告されても、「この状態を維持するように」といった機械的な返答をしてしまうようになり、パートナーをがっかりさせてしまうものです。ひどいときは、「しんどい」といっているのに、「気の持ちよう」などと思いやりの欠片もないような返答をしてしまいます。

本当の意味でパートナーの気持ちになって思いやるには、少なくとも年数回は通院に付き添って、その大変さを少しは感じておく必要があると思います。