[3] 部下の能力に見合った仕事を任せよ

「部下が自分の能力を伸ばせるようなかたちで任せることだ」と、ザ・プライス・グループの経営コンサルタント、ベット・プライスはアドバイスする。「ミスは成長のチャンス。あなたがなぜ、ある種の仕事を彼らに戻すのかを部下が理解できるよう、各人の能力についての自分の評価を説明しよう」。

コヴィーは、部下が最も情熱を傾けることは何かを把握したうえで、仕事を任せることがいかに大切かを力説する。「直属の部下ひとりひとりについて、最も得意でやりたがっていることが何かを把握してほしい。それから、彼らの特異な才能や情熱を仕事のニーズとうまく組み合わせてほしい。情熱を持っている部下は監督する必要がない。彼らは問題に対する独創的な解決策を自力で生み出すはずだ」。

[4] 自分で考える姿勢を育てよ

 社員が自分で考え、主体性を持って仕事に取り組むようになればなるほど、その社員が上司のところに持ち込むモンキーの数は減る傾向がある。ミシガン州のインテリア・デザイン会社プランテラの事業開発部長、シェーン・プリスカは、オンケンとウォスが前述の記事で述べたアプローチを応用した「モンキー・ランク付け」システムを活用している。
「われわれは社員に、自分の抱えている問題を1から4までの数字でランク付けするよう求めている」とプリスカは説明する。1はマネジャーが問題を解決する、2はマネジャーが解決方法を指示して自分が実行する、3は自分が解決策を提案してマネジャーの承認を得る、4は自分が行動してマネジャーには事後報告する、という具合だ。主体性を養うために、プランテラのマネジャーは部下にできるだけ多くの問題を「4」と判定するよう促している。

社員が自分で問題に対処できるよう、MGMトランスポートのマスードは、3つの分野で彼らに何が期待されているかを明示している。「彼らの具体的な責任は何か。どんな知識を備えているよう期待されているか。彼らにはどれだけの権限があるか」である。これは重要な点だと専門家は指摘する。自分にそうする権限があるかどうかよくわかっていない社員に、問題解決を期待することなどできない。

[5] 部下を資源に結びつけよ

直属の部下を、彼らが問題を解決するために必要な資源に結びつけてやることも、あなたのところに問題を持ち込む部下の数を減らすのに役立つ。資源を広い意味で──部下が自力で問題を解決する手助けをしてくれる人やツール、情報や能力開発のチャンスとして──とらえよう。資源との橋渡し役は、「マーケティング部のジョーに話してみたら」とアドバイスするような、きわめて簡単な行為ですむこともある。

オハイオ州に本店のあるフィフス・サード銀行のリテール部門上席副社長、ミシェル・ヴァン・ダイクは、情報の力を活用している。「私は電子メールやミーティングを使って、業界や、本行の戦略的重点分野や財務状況に関する情報を部下と共有している。部下が賢明な決定をし、自力で問題を解決するためには、私が持っているのと同じ情報を彼らも持つ必要がある」。

(翻訳=ディプロマット)