ラグビーW杯は、横浜か、調布か

ラグビー2019年W杯日本大会組織委員会はメイン会場の代替地を探さなければいけない。キャパ的には収容7万2000人の横浜国際総合競技場(日産スタジアム)が有力か。東京都としては新国立の代わりとして、収容5万人の味の素スタジアム(調布市)を推すかもしれない。いずれにしろ、同組織委は大幅な大会計画の変更を余儀なくされた。

同組織委の嶋津昭事務総長はこう、漏らした。「災い転じて福となす、となるよう取り組んでいきたい」と。気の毒である。

問題は、新国立競技場の見直し案は速やかに決まるのかどうか。これで通常1年前実施の東京五輪パラリンピックのプレイベントはほとんどできなくなった。日本の建築技術の高さを考えれば、5年あれば、ちゃんとした競技場を建設できるだろうが。

今こそ、「オールジャパン体制」の結束しどころである。遠藤利明五輪担当大臣を軸とし、文科省、JSCだけでなく、国交省、総務省、財務省、都庁、設計会社、建設会社などの専門家グループがゴールにまい進するしかあるまい。責任の所在を明確にし、システムを変えて。

松瀬 学(まつせ・まなぶ)●ノンフィクションライター。1960年、長崎県生まれ。早稲田大学ではラグビー部に所属。83年、同大卒業後、共同通信社に入社。運動部記者として、プロ野球、大相撲、オリンピックなどの取材を担当。96年から4年間はニューヨーク勤務。02年に同社退社後、ノンフィクション作家に。日本文藝家協会会員。著書に『汚れた金メダル』(文藝春秋)、『なぜ東京五輪招致は成功したのか?』(扶桑社新書)、『一流コーチのコトバ』(プレジデント社)など多数。2015年4月より、早稲田大学大学院修士課程に在学中。
(松瀬 学=撮影)
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