創業CEOとプロ経営者

起業家精神とはなにも20代、30代の若者だけが持つ特権ではありません。起業家はいつまでも起業家であり、ベンチャースピリッツに経験を積み重ねていくことによって、さらに大きな事業を実現可能なものにしていく。これが今のアキュセラの経営体制であり、事業を加速させるために必要なエンジンだと考えています。

よく、創業者CEOとプロ経営者の違いが話題にあがります。起業以来、私はアキュセラ一筋ですから創業者CEOになるわけですが、創業者は生みの親であり、それは変えようがない事実です。幾多の危機を乗り越えてきましたが、中には1日判断が遅れていたらすべてが変わってしまう局面も数知れずありました。その多くは創業者だから乗り越えることができたものだと考えています。生みの親ならではの成功への執着だと言えると思います。

自分のすることすべてが正しいとは言いませんが、創業者だからこそ、開発がわかっているからこそ、下せる経営判断があると確信しています。 自分が指揮を取り発明した化合物を世の中に送り出す、アキュセラはそのための会社でもあります。新経営体制を基盤に事業戦略拡大を視野に入れているとはいえ、「エミクススタト塩酸塩」は、アキュセラのビジョンの結晶であることは間違いありません。

よい再スタートが切れました。ベンチャースピリットを持って、実績を積み重ねることで自分の再登板が正しかったことを証明していくのみだと思っています。皆様、引き続きご指導ご支援をよろしくお願いいたします。

窪田 良(くぼた・りょう)●1966年生まれ。アキュセラ創業者であり、会長、社長兼CEO。医師・医学博士。慶應義塾大学医学部卒業後、同大学院に進学。緑内障の原因遺伝子「ミオシリン」を発見する。その後、臨床医として虎の門病院や慶應病院に勤務ののち、2000年より米国ワシントン大学眼科シニアフェローおよび助教授として勤務。02年にシアトルの自宅地下室にてアキュセラを創業。現在は、慶應義塾大学医学部客員教授や全米アジア研究所 (The National Bureau of Asian Research) の理事、G1ベンチャーのアドバイザリー・ボードなども兼務する。著書として『極めるひとほどあきっぽい』がある。Twitterのアカウントは @ryokubota 。 >>アキュセラ・インク http://acucela.jp

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