「お家騒動」とも受け取られかねない騒動の渦中にあった、創薬ベンチャー企業・アキュセラ。このほど臨時株主総会が開催され、ほぼ半年に渡る顛末に決着がついた。
米国籍の企業であるにもかかわらず、上場先に東京証券取引所を選択した企業としても話題を集めていた同社。改めてCEOに就任した創業者でもある窪田良氏が、胸中を打ち明けてくれた。

画期的新薬の臨床試験には影響なし

米国西海岸時間の2015年5月1日に、アキュセラで臨時株主総会が開催されました。そこで前取締役4名の解任と新取締役4名の就任が決議され、その後に行われた取締役会で私がCEOに再任いたしました。

2015年1月1日付でCEO職から退くことになったのですが、その1月末にSBIホールディングスに合意する形で、大株主という立場で前取締役会に対し、株主提案をしました。その提案とは、私を除く当時の取締役の解任と、新取締役4名の選任でした。

私も前取締役に信頼を寄せていましたから、一度はCEO交代を受け入れました。しかしながら、CEO交代直後より、ファウンダーであり開発の責任者である会長として黙認できない状況を散見したため、会社の軌道を正す必要がありました。投資家の皆様、当社関係企業の皆様にもご迷惑をおかけすることになりましたことを、この場を借りてお詫び申し上げます。

まず、アキュセラはどうなっているのかと、ご心配の声を頂いておりますので、事業のことからご説明いたします。今回のことが進行中の事業に影響を及ぼすことはありませんでした。

世界で数百万人規模の失明を脅かす加齢黄斑変性の進行を遅らせる、もしくは、進行を抑える可能性を秘めている、当社の「視覚サイクルモジュレーション技術」の臨床試験を着々と進めると同時に、同技術を適応できる可能性がある網膜疾患への展開と緑内障治療薬の臨床開発などの検討は、予定通りに進んでいます。業界では不可能だと言われてきた飲み薬というアプローチで加齢黄斑変性という失明を脅かす疾患の治療法確立を目指し、欧米ではすでに臨床試験フェーズ2b/3に入っています。新しい経営陣も加わり、全社一丸となって邁進する所存です。