「最近は、アウトドアユースを理由にSUVを選ぶ人は少なくなっていると思う。ランドクルーザーなどの本格派四駆と比較すると、ボディサイズも中身もダウンサイジングされたSUVが増えてきた。高速安定性やゲリラ豪雨など悪天候の際は、四駆が威力を発揮してくれるのは確かだが、電子デバイスの発達で二駆でもかなりの悪路にも適した仕様になっているものが多い。オシャレなカテゴリーのひとつとして選ぶなら、そういった選択もアリだと思う」ということだ。
FPの山口京子氏は、SUVについて、「活躍の場が少ないのに、SUV所有にこだわることは、ある意味『不幸』ともいえます」としながらも、「車には実用性を超えた『男の美学』がつきまとう」と、理解を示す。
「たとえば外国製のSUVの場合、燃費が悪い。そのうえ利用頻度も低いとあれば、第三者から見れば『ムダ』と家計診断をしたくもなります。ただし『かっこいい』と本人が満足しているのであれば、それは有意義なお金の使い方になります。たとえ他の支出を切り詰めてでも、心の豊かさを担保できるのであれば『好きな車に乗る』という生き方は素敵なことでしょう」
その一方で山口氏は「見えないルール」が、SUVや外車などの高級車所有に走らせることもあることを指摘する。
「社宅などの場合、『皆さんと同じ車しか買えない』という雰囲気がありますし、地域によっては『それなりの車に乗っていないとつらい』というエリアが存在することは否めません。このように、実用性だけでなく、見栄や外聞といったほかの条件を満たしながら選ぶものが、車なのです」
単純にコスパを追求すればいいわけではないところが、つらいところだ。