そこで、自社製ソフトを開発する方針を立て、3作目の恋愛シミュレーションゲームがヒット。以来、次々にヒット作品を生み出すことになるが、失敗作もたくさんあるそうだ。「とにかく、社員には失敗を恐れず、新しいことに挑戦してもらおうと考えています。そして、うまくいかないとわかったら、すぐに撤退をする。売れないものに関わっている社員がかわいそうですからね。早くそこから抜け出してもらい、新しいものを開発してもらったほうが会社にとってもいいわけです」。
こう話す林氏はヒット作品を出しても、ゲームなどのエンターテインメント事業はいい状況が続くとは考えておらず、収益を安定させるために第2の柱をつくることを急いだ。それがライフサポート事業だ。これは日常生活に密着した比較サイトや情報サイトの開発、運営で、なかでも引っ越し料金比較サイトの「引越し侍」や結婚式場予約サイト「すぐ婚navi」は非常に好調だという。
「すぐ婚」については、入社2年目の社員が考えたそうで、同社ではいい企画なら入社1年目からでも採用する。また、社長賞などの報奨金制度もあり、業績が上がれば、社員全員に報奨金を出すことにしている。
「私は常に会社を経営するうえで、3つのことを大事にしています。まずお互いに認め合うこと。2つめが社会のニーズに応えて仕事をすること。そして3つめが会社の状況をオープンにすることです」と林氏。
これはアルバイト時代に経験した嫌な思いを踏まえてのものだそうだ。そして、社員に対して「当事者意識を持って、ベンチャー精神を忘れるな」と話している。
1997年に創業し、個人でソフトウェアの受託開発を開始。経営理念は「みんなで幸せになれる会社」「今から100年続く会社」で、それを目指して「エンターテインメント事業」と「ライフサポート事業」の異なる2つの事業を主軸にスマホアプリやPC 向け比較サイトなどの企画・開発・運営する。
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