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一度忘れてしまった単語を再び学習すると、最初よりも忘れにくくなる。少しずつ間隔をあけながら4回復習するのがベスト。

無意識な記憶の保存期間は1カ月程度といわれています。最低でも1カ月以内に復習するようにしましょう。脳科学的に最も効率的なのは、以下のような復習スケジュールだと私は考えています。

学習した翌日に1回目(の復習)。その1週間後に2回目。さらに2週間後に3回目。さらに1カ月後に4回目。

全部で4回です。

科目や単元にもよりますが復習スケジュールをこれ以上過密にして、時間と労力をかけても、成果は変わらないことが多いようです。ただし、人によっては3回の復習で覚えられるかもしれないし、10回の復習で覚える人もいます。

自分はどれくらいのペースで復習すると覚えやすいのか、勉強しながら自分の脳の傾向を確かめてみるのがいいでしょう。

読むだけでなく、問題を解くこと

また、復習のポイントとして覚えておきたいのが、情報を暗記する「入力」だけではなく、覚えた内容をテストなどで確かめる「出力」も大事だということです。

情報の入力と出力では、脳は圧倒的に「出力」を重要視します。「この情報はこんなに使われるのか。ならば覚えなければ」と海馬は判断するのです。

勉強の仕方でいえば、教科書や参考書を何度も見直すよりも、問題集を繰り返し解くような復習法のほうがより効果的といえます。

私たちは物事を覚えるときに何かに関連付けて記憶します。

たとえば今、私の目の前にカフェオレがあるとしましょう。この言葉を覚えるときに、「カフェオレ」という単語だけ覚えても何の意味も持ちません。文字づらとしての「カフェオレ」、目で見る「カフェオレ」の色や形状、耳に届く「カフェオレ」という音、飲むときに鼻孔で受容する香りや舌で感じる味わい。こうした複数の感覚が統合されて、「カフェオレ」という1つの記憶が成立します。