平行線の調停を動かしたきっかけ

法律婚の場合、不貞行為など民法が定める「離婚原因」が相手にあると認められれば、相手が反対しても離婚を成立させることができ、慰謝料の請求も可能になる。こうした規定は、事実婚解消の際でもほぼ同様に適用されるのが慣例だ。

女性の態度は、いわゆる「フキハラ(不機嫌ハラスメント)」「モラハラ(モラルハラスメント)」として離婚原因に該当する可能性がある。ただ、モラハラを証明するには、長時間の叱責しっせきを録音するなどの証拠が必要で、ハードルが高い。当時は「モラハラ」の概念もあまり広がっておらず、男性にとって手詰まりの状態が続いた。

事態が動いたのは、調停開始から4カ月たったころ。二人で住んでいた借家の契約更新期限が3カ月後に迫っていた。契約者は男性。「この家は、一人で住むには広すぎる。次の契約は更新しない」と女性に伝えた。