格調高さを狙っているが、ヤンキーっぽい

とはいえこれらは「住む」のポエム的当て字ではないかもしれない。「新宿に、澄む。」は「(マンションが)新宿で澄み渡っている」の可能性もある。いったいどちらと解釈すれば良いのか。「住むことは、澄むこと。」(「パークコート虎ノ門」三井不動産レジデンシャル・2022年築)という判定の難しい「澄む」もある。まあ、どちらにせよポエムだが。余談だが、「純住宅」と謳うこのポエムは、昨今、高級マンションが投機の対象になってしまっていることへの牽制だと思いたい。

「とき」に「刻」を当てたり、「すむ」に「棲む」「澄む」、ほかにもよくあるのが「いえ」に「邸」。当て字はマンションポエムがついやってしまうクセのようなもので、中には桜上水の物件が「桜上粋。」(「アルス桜上水」東急不動産・2006年築)と謳ってしまった例もある。さきの「『美知なる森』に清む。」は当て字の2連発だ。

こういう当て字はへたをするとふざけているように見えてしまう。前出ポエムの「識る」のような、わざわざ画数の多い漢字を当て字に選ぶあたりは1980年代の暴走族の落書きを彷彿とさせる。マンションポエムは格調高く見せようとしているはずで、おどけていると思われては逆効果だ。さきの「瞬感」はぎりぎりだ。「都心の『隠れ我』」(「D'グランセ駒沢公園」大和ハウス工業・2004年築)や「響感 私の美意識が、yesと言った。」(「リビオ奥沢自由通り」新日鉄都市開発・2005年築)、「御池通、彩前席。」(「プレミスト京都 御池通」大和ハウス工業・2017年築)もだいぶきわどい。