ハワイ大学での講演のために、ワイキキに滞在している。

今回は、オアフ島に住んでいる日本人の方が創始した財団「ホノルル・ファウンデーション」の招きでうかがった。

ホノルル・ファウンデーションは、ハワイの方々に、日本の文化や伝統を伝えることで、交流を図る公益団体である。

ファウンデーションの方々をはじめ、ハワイに長い間住んでいる日本人のお話をうかがうことができたので、旅行者とは違った視点で、ハワイの現況、生活実感に触れることができた。

ハワイといえば、日本人観光客が多数訪問することで知られている。近年、アジアの経済発展にともなって、ハワイを訪れる観光客も、中国や韓国の人が増えてきた。以前のように、日本人観光客が圧倒的なプレゼンスを占めているということもなくなっているようだ。

それでも、日本の影響は、深く広く根付いている。ハワイは、もともと日系人が多いことで知られている。現在でも、20万人近くの日系人が住み、州人口に占める割合も十数%に上る。

アロハシャツは今やハワイの象徴だが、元は日本の着物を使ってつくられたもの。(写真=はらだま/PIXTA)

今ではハワイを象徴する服装といえる「アロハシャツ」は、もともと日本の着物を使ってつくられたことは、よく知られた事実である。日系移民の方から始まった服装が、今では、正装として使われる。

日本語の中にも、ハワイの社会に溶け込んでいるものがあるという。「ゾウリ」(=草履)、「ベントー」(=弁当)、「ショウユ」(=醤油)などは、ローカルの人たちにそのまま通じると、今回の旅で聞いた。