「涙」の位置づけが変わってきた

昨今、DX化・AI化が進み、論理的に「いかに生産効率を上げるか」が議論される機会が増えました。そして、これは人間の感情に進化が起きたと言っていいと思うのですが、同時に「人でないとやれないことは何か」という議論がされるようになりました。

前述した事例では、これまで本音を言うことのなかった頑固な監督が本音を吐露することで、チーム全体を包む雰囲気がぐんと変化しました。少し震えたような声、覚悟を決めた表情、赤裸々に等身大で自分自身に向き合い内省し謝罪する姿……こうした機微を、現状のAIでは分析することができません。

水滴が落ちてできた波紋
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だからこそ、こうした目に見えない情動的なコミュニケーションに、今とても大きな価値が生まれてきています。感動という言葉はあっても、理屈で動く「理動」という言葉はありません。人は、感情が動いてはじめて動き出したくなるものなのです。