血も涙もない

ある日、みるみる弱っていく母親のために、二藤さんは父親に言った。

「お母さんは、もう何日も生きられない。頼むから最期に『ありがとうな』って伝えてあげてほしい。きっと、喜んであの世に逝けると思うから」