顔が変わるまで殴られたり、お互いにビンタしあうよう強制された

しかも、本来なら本籍地の部隊に入るところ、縁もゆかりもない小倉に行くよう命じられた。その理由について、『アンパンマンの遺書』(岩波現代文庫)では、検査官がやなせの身上調査票を見て次のように語ったと説明されている。

「貴様は父も母もなく、弟は養子に出て、戸籍ではたったひとりか。国家のために一身を捧げても泣く者はいないな。心おきなく忠誠を尽くせ。おめでとう」