【Before】

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(1)なぜこの報告書の提出するのかを考えれば、「~について」というタイトルにはならないはずだ。紙にまとめるだけでは期待を超えた仕事とはいえない。

(2)「報告」を聞く立場になれば、この「前提」は不要だとわかる。タイトルと報告者名だけで内容は類推できる。中身を絞ることに集中したほうがいい。

(3)経緯は不要な情報だ。「報告のための報告」の典型例だろう。ビジネスパーソンは結果がすべて。結果を見れば、経緯はだいたいわかる。

(4)文章が長い。いくら美しいロジックを組み立てても、結論までの道のりが長いと読んでもらえない。

【After】

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(1)単なる報告はNG「提案」を加えよ…スクエニでは「報告書」を社内で扱うことはない。1対1の報告を紙に書く必要はないからだ。電話や携帯メールで十分。「報告のための報告」は本末転倒だ。1対多の「提案」を含んではじめて、紙で共有する意味が出る。

(2)見るだけでわかるよう「ほぐす」…重要な人ほど忙しい。私の経験でも、役員クラスは書類を「読む」のではなく、「見る」だけだ。いくら中身がよくても、だらだらした文章では検討してもらえない。ビジュアルだけでもわかるように、徹底的に本質をほぐすことが重要だ。

(3)見栄えより中身「手書き」で構わない…社内文書がキレイすぎるのは問題だ。無意味な細部にこだわるよりも、肝心の中身を伝える工夫に時間を割くべきだろう。時間の節約になるなら、手書きでも構わない。

(4)書き込む文章はすべて「見出し」…できるだけビジュアルで説明したいが、補足の説明が要ることもあるだろう。その場合も、長文は書かない。文章はすべてヘッドライン(見出し)と思うぐらいで書くと、ほどよい分量になる。

(坂本政十賜=撮影 山川 徹=構成 星野貴彦=事例作成)