ダイエーの錬金術

ダイエーといえば、カリスマ経営者中内功氏の立志伝と共に、その盛衰に関しては様々な評伝や書籍などが出されているので、ご存じの方も多いかもしれない。

神戸の薬屋からスーパーに転換し、「価格破壊」をスローガンに徹底した安売りで、1960年代には関西を席巻したのち、大型スーパーで全国展開し、1972年にはスーパーとして初めて小売業日本一となった。以降、長年にわたって小売りトップ企業としてその地位を保ったのだが、その成長手法が高度成長からバブル期へと続く、右肩上がりの環境を前提としていたことでも知られている。

その手法はざっくり、こうだ。まずは駅前一等地に資金を借入して大型スーパーを出店する。店舗が稼働すると売上金は即金で入ってくるが、その支払いは業界慣行上、数カ月後払いとなるため、月間売上数カ月分が余剰資金としてプールされる。(これを回転差資金という)たとえば、月商3億円ちょっとだとすると3カ月後払いなら、1店舗10億円の資金調達が可能となるため、出店すればするほど資金が貯まる。