日本品質の中国製:中国製のユニクロが中国で売れるのか
上海市の目抜き通り、南京西路にユニクロとしては世界最大の売り場面積(3300平方メートル)を誇るグローバル旗艦店「上海 南京西路店」がオープンしたのは、10年5月のことである。
12年2月の段階で、香港を除く中国本土に展開するユニクロは113店舗。ファーストリテイリングの柳井正会長は中国で1000店舗、売り上げ1兆円を目指すと宣言しており、ユニクロのグローバル展開において中国を主要なマーケットであると位置づけている。
しかし……。ご存じのようにユニクロ製品はほとんどが中国製だ。中国製を好まない中国人にアピールするのだろうか。
ユニクロが中国に進出したのは10年ほど前だが、そのときも「中国製のユニクロが果たして中国で流行するのか」という議論が盛んに戦わされたものだが、結論を先に言ってしまえば、ユニクロは中国で大当たりしている。高級ブランドとまではいかないけれど、「やや高級な普段着」として20代、30代のビジネスマンの間で大流行している。
ポイントはやはり、品質だ。同じ中国製でもやはり日本の品質管理によって作られたものは違うというのが、大方の中国人の見方。裏返して言えば、中国人が中国的に作った低価格帯の衣料品の品質があまりにも粗悪であるということでもある。
筆者も経験があるが、安物の中国製衣料品は2、3回洗濯しただけで縮んでしまったり、破れてしまったりするものが多い。それに比べれば、ユニクロの品質は素晴らしい。あくまでも、「日本品質の中国製」なのである。