連立協議書には、高止まりする電気料金に関して、電力税と電力網使用料金を引き下げ、1キロワット時当たり5セント以上の負担軽減を図る旨が盛り込まれている。しかし本来なら、価格の引き下げは電力の安定供給によって達せられるべきであり、原発の再稼働が無理ならば、ガス火力のみならず石炭火力の再強化も選択肢に入るはずである。
連立協議書には、二酸化炭素回収・貯留(CCS)を可能にするための法整備を進める旨も記されている。これは石炭火力の再強化への道を拓く動きだが、SPDの環境タカ派やB90/Grünenはこの選択に反発する。またドイツでは国内炭鉱の閉鎖が相次いでいるため、再強化の方向で動くとしても、輸入炭価格との見合いになるかもしれない。
最低賃金15ユーロは実現するのか
続いて分配戦略だが、一見すると、SPDの意向を汲むかたちで、新政権は引き続き積極路線を歩むように見受けられる。つまり連立協議書には、2026年までに時給を15ユーロに引き上げる目標が明記されている。これは24年5月に、当時のショルツ首相が週刊誌シュテルンとのインタビューで望ましいと答えていた水準でもある。
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