5ファクターによる「日米統合モデル」の理想形
これまでの分析を踏まえると、日米両国が造船業において戦略的に連携する意義は明白である。それは単なる経済提携やサプライチェーン補完を超え、通商、軍事、制度、人材の各層を統合した「同盟型産業構造の実装」にほかならない。ここでは、筆者が提唱する分析フレーム「5ファクターメソッド(道・天・地・将・法)」を用い、日米造船統合モデルの理想形を提案したい。
道:ミッション、理念
日米が造船において共有すべき理念は、「海洋秩序を同盟で守り、その秩序を運ぶ船をともに造る」というものである。日本が培ってきた高度な設計力・品質力と、米国が担う国家戦略・安全保障力を結合することで、造船は軍事、外交、通商の複合軸を支える国家構造の核となる。造船は「製造業」から「秩序創出産業」へと進化する。その価値を、両国が同時に認識する必要がある。
「共建・共納・共規格」の体制を実現する
天:時流・政策環境
現在の世界は、「脱炭素化の潮流」「通商対立の加速」「安全保障の多極化」という三重の時流が交差している。日本はGX(グリーントランスフォーメーション)対応船の先行技術を持ち、米国は関税、通貨、制度誘導という強力な政策レバレッジを持つ。
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