ドル高是正に執着するトランプ大統領

当のトランプ大統領は、今のドル相場が高過ぎると主張してはばからない。国内の製造業を復活させるためには、ドル安でなければならないというわけだ。こうしたトランプ大統領の意向を受けて、就任直後に市場では、米国が主要国に対してドル安に向けた協調体制の構築を迫るという展開、いわゆる「プラザ合意2.0」の可能性が囁かれた。

しかし、トランプ大統領は相互関税を持ち出し、自ら国際協調体制を崩壊させている。したがって、国際協調によるドル安シナリオは、まず考えられなくなった。残る手段は、金融緩和を通じてドル安を演出することだ。実際にトランプ大統領は、FRBのジェローム・パウエル議長に対して、公然と利下げを要求するようになっている。

パウエル議長はトランプ大統領による要求を一蹴しているが、それでもトランプ大統領はパウエル議長に対して利下げを要求し、ドル安に向けた圧力をかけ続けるだろう。パウエル議長本人を解任できなくても、前回の任期と同様に、有形無形、そして様々な経路を通じて、トランプ大統領はFRBの金融政策に対して圧力をかけると予想される。