AIを中核とする社会基盤企業へ

「道」:ミッション・ビジョン・バリュー

まずは、テンセントにおける「道」を見ていきたい。「道」は戦略の中核であり、企業としてどのようにあるべきか、という目標を具体化したミッション、ビジョン、バリューにあたるものだ。

【図表】「テンセントの大戦略」分析
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テンセントは創業以来「人と人、人と情報、人とサービスをつなぐ」ことを使命に掲げている。SNS(微信=WeChat、QQ)を通じて、中国の13億人以上が日常的に接する生活インフラとしての地位を確立してきた。そして、2025年現在では「AIを中核とする社会基盤企業」としての立ち位置に進化しつつある。

そのビジョンは「生活と経済のすべてを再設計するプラットフォームの構築」である。象徴的なのが、AIアシスタント「元宝(ユェンバオ)」のWeChatへの統合である。チャットや検索機能をプラットフォームに組み込み、コミュニケーションから情報収集、サービス利用までをAIで再設計しようとしている点は注目に値する。