三菱商事が「環境エネルギー」を重視するワケ

足許、三菱商事は、事業ポートフォリオを一段と拡大・再編しようとしている。2024年度第3四半期、同社の連結純利益は8274億円だった。国内洋上風力発電事業で減損損失を計上した一方、オーストラリアの炭鉱、米電力事業の損益改善、関連企業の株式売却が収益を支えた。

決算資料を見ると、同社は事業ポートフォリオの中でも、地球環境エネルギー関連事業の成長加速を重視している。欧州、中東、アジア・オセアニア、北米地域で三菱商事は天然ガスや石油関連事業を拡張している。世界の脱炭素推進のため、燃焼時の温室効果ガス排出量の少ない天然ガスの需要は増えるだろう。同社は、液化天然ガス(LNG)関連の生産能力を、2024年度の1300万トンから2030年代前半に1800万トンまで引き上げる方針だ。