卵は「完全栄養食」と称えられる理由

卵はMサイズ1個(50g)に約6gのたんぱく質が含まれています。ここでは、たんぱく質を構成するアミノ酸について解説しましょう。

人体を構成するアミノ酸は20種類。そのうちの9種類が必須アミノ酸です。必須アミノ酸は人体で合成できないため、食事で摂る必要があり、1つでも不足すると、体内でたんぱく質が十分に合成されなくなります。

そのため、栄養計算上ではたんぱく質が十分でも、必須アミノ酸が不足していると成長に悪影響が及ぶ可能性があるのです。

卵は必須アミノ酸をすべて含む優秀なたんぱく源。さらに、ビタミンC、食物繊維以外の栄養素をすべて含むことから、「完全栄養食」と呼ばれています。

さらに注目すべきは、必須アミノ酸の消化吸収率(DIAAS)。図表2は食品別のDIAAS値で、数値が高いほど消化吸収率がよいということです。卵の消化吸収率は動物性食品の中でもトップクラス。卵は非常に優秀な食材なのです。

卵は「1日1個」より「1日2個」

卵は1日に何個食べると身長の伸びに効果があるのでしょう? ウガンダの小学校で「卵が子どもたちの成長にどれくらい影響を及ぼすか」を調べた研究の結果を見てみましょう。

調査の内容は次のとおりです。

対象は6〜9歳の小学生。週5日提供されている給食で、卵0個のグループ、卵1個のグループ、卵2個のグループに分け、これを6カ月間継続し、それぞれの身長の伸びを比較。

結果は、卵0個のグループは3cm弱、1個のグループは約2.5cm、2個のグループは3.5cm弱身長が伸びていました。明らかに卵2個食べたほうが身長が伸びていたのです。

つまり、卵を食べない、または1日1個食べるより、2個を毎日食べることで身長が伸びる可能性が確認されたのです。

たんぱく質が少なくなりやすい朝食で卵2個を食べてもいいですし、朝1個、夜1個でもかまいません。ただし、卵には脂質も含まれているので、体脂肪率が高い子どもは食べすぎないようにしましょう。