「カロリーゼロ」「糖類ゼロ」の落とし穴
さらに、WHOは2023年に、非糖質甘味料に関する新しいガイドラインを発表。「非糖質甘味料の使用は、成人および小児の体脂肪を減らす上で長期的な利益をもたらさないばかりか、成人の2型糖尿病、心血管疾患、死亡率の増加など、長期使用による望ましくない影響の可能性も示唆されている」としています。
非糖質甘味料とは、アセスルファムKやスクラロース、アスパルテームといった合成甘味料や、ステビアなどの植物の甘味成分を抽出して精製された天然甘味料のことで、おもに「カロリーゼロ」「糖類ゼロ」「カロリーオフ」の飲料などに使われています。これらを活用することは、逆に肥満を引き起こす可能性があるということもわかっています。
また、清涼飲料水に多く含まれている異性化糖(果糖ブドウ糖液糖や高果糖コーンシロップなど)と肥満は関係しているという論文も発表されています。子どもの肥満を予防して早熟を防ぎ、身長を伸ばすためにも清涼飲料水を常飲することは避けたほうがいいのは明らかです。
健康そうなフルーツジュースも要注意
しかし、日本の小学校高学年の子ども135人の清涼飲料水の摂取状況を調査した結果、清涼飲料水由来の炭水化物を1日50g以上摂っているという子どもが約30%もいたという報告もあります(平成22年「日本家政学会誌」より)。
肥満傾向児の割合は男女ともに10歳から12歳が高く、10〜12歳で10%を超えています。清涼飲料水を常飲し、糖質を過剰摂取している子どもも、肥満児も特別珍しいというわけではないのです。
最後に、摂りすぎに注意したい清涼飲料水を糖質量とともにまとめておきます。飲み物は、子どもが自分で購入して飲むことも多いので、飲みすぎないよう、子どもにも知らせておきましょう。